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師走と松職人

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毎年、師走が近づくと松職人が黒松の手入れに余念がありません。

朝の7時ごろから寒風をついて夕方までパチパチとハサミを入れます。

軍手の指からは指の第2関節までがむき出しです。

やはり黒松の葉を摘まむには指先だけは素手でなければ仕事にならないようです。

 

日毎に寒気が増して、じっと体を動かさず梯子に乗りながらの作業は熟練と言えども大変な作業です。

手入れをした松の葉を見るとその美しさと、なんとも言えない松の葉の艶やかな緑色が見るほどに癒されるという人がいます。

花も可憐で美しいのですが、松の葉の趣には静寂な禅の境地があるように思えるそうです。

 

なるほど、人それぞれに趣味趣向が違うけれども、青い空に浮かぶ白い雲を見てとても爽やかで心が洗われるのと同じでその人の言葉に感銘を受けました。

 

ゴルフ場には、松も石も要らないといいますが、床の間に掛け軸や置物がないのと同じでやはり情景を創るには、それなりの演出が必要だと思います。

ただ、雲一つない青空を見るよりも、様々に雲が形を変え、緩やかに流れゆく様は、どんな花よりも美しく思えるのは私だけでしょうか?

 

今年もたくさんの出来事がありました。

言えること言えぬこと、人それぞれ無口にもなり、雄弁にもなる、

どんな時代になっても明日が平和であることを願いたい。

松の蒼さに、その色の深さに、人間の本当の美しさを学びたいと思います。

素直に謝れないのが人間で、つまらぬ意地を捨てきれないのが人間で、潔しとしないのも人間です。

だからどんなに科学や文化が発達したところで世界から戦争の悲劇がなくなることはない。

人を欺き、裏切り、罵り、絶えず猜疑心の渦中でもがく愚かな人間の浅ましき心が人を傷つけてしまう。

 

自分の姿を鏡に映したときに、自分の心まで映すことができる人は幸せです。

外見にばかり気を取られて、本当の人間らしさを忘れないで欲しいものです。

松の葉のように蒼々と凛々しく人間の愚かさを突き刺すように!

 

 

松の手入れが綺麗に仕上がりました。

 

ことし最後の紅葉です。

 


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