もう10年以上前から駐車場に住み着いた猫がいます。それでも縄張り争いで負けた白猫は、ポーターの関さんが里親になっています。
現在、黒猫の2匹は練習場の小屋の周辺にねぐらがあります。
関さんの可愛がっている猫は、ポーター室の脇の段ボールに住んでいます。
このリンゴ箱の段ボールが白猫の寝場所です。
でも動物愛護団体の下山さんが、白猫を不憫に思ったのか、猫の小屋を買って来てくれました。ポーター室で幸せそうに寝ている白猫くんの後ろにあるのが猫の部屋です。今夜からリンゴ箱の段ボールではなくなります。
里親の関さんも一人ぼっちだから猫の気持ちがよくわかるようです。
コロナウィルス感染被害が拡大し、人材派遣のリストラが増えて、無情にも寮を追い出された人たちのことを思うと尚更忍びなくなります。
これから師走の寒さが身に沁みてくる季節です。
駅構内や公園から追い出されてしまう路上生活者のことを思うとこの猫たちは、まだ幸せです。
社員の皆さんには会社として居つかないように餌をあげないよう伝えていますが、里親に慣れず身寄りのない猫たちにキャディさん達は毎日餌をせっせと与えているようです。
そうなると可哀そうで「餌をあげるなとは言えなくなってしまいました」
昨今では、猫カフェとかも繁盛しているのですから…黙認です。
しかし、不思議です。
よく、ゴルフ場には猫以外に子犬も段ボールの箱に入れて捨てて行く飼い主がいます。でも、犬は数日でいなくなってしまいます。
猫だけは人が虐めない限り、餌がある限り、その場所を絶対移動しないことが分かりました。今の猫は、最初の親が生んだ子猫で2代目です。我が子のように「しろ、シロ」と呼び、可愛がる関さんのやさしさが光ります。
さて、もう一つ心に沁みるエピソードを紹介します。
実は、12番ロングホールに捨て猫が最近出没していました。
猫を飼っている人が通ると臭いでわかるそうなんですが、悲しい声で「ニャー、ニャー」と泣いて餌を欲しがっていたようです。
プレーに来場し、見かねたお客様が、誰か里親が見つかるまでお世話してくださいと手紙文に猫の餌を段ボール一杯送って来てくれました。
それがこの段ボールに入った猫の餌です。
その中に、この心温まる手紙文が入っていました。
大栄カントリー倶楽部NO.12番ホールの子猫の担当者様
先週ラウンドさせていただいた者です。
とても素敵なゴルフ場で1日楽しませていただきました。
送らさせていただいたのがキャットフードですが、インコースの12番ホールの小屋の付近に白と黒の小さい猫がいました。
キャディさん曰く、飼い猫が迷い込んでしまったのではないかと仰っていました。
とても人懐こく足元に来て寂しそうに泣いていました。
迷いネコは捕食能力が低いと聞いたこともあり、これから本格的に寒くなっても来ますので心配になり送らさせて頂いた次第でございます。
無事に飼い主に戻ることを願い、どうか餌をあげてください。
次回、ラウンドする時には飼い主の元に戻っていますように!
とご丁寧なお手紙まで添えてありました。
自分勝手な思い込みでクレーマーが増大する世の中で、これほどまで優しい人がいると思うと、まだまだ、日本も捨てたもんじゃないと感動さえ覚えました。
犬好きの下山隆氏がこの手紙を見て、あのクマさんのような体の上に丸い顔があり、その両目の眼頭に潤んだ涙を見てしまいました。
意外や意外、人の心は判らない、やさしさや思いやりは、その人の心の扉を開いて見なければ判らないと痛烈に心に響きました。
この捨て猫の安心感を育む人間に悪い人はいません!
ご安心ください。
12番ロングホールの白と黒の猫は、昨日、やさしい里親が見つかり、連れて行ってくれました。有名な動物愛護団体の特に猫好きの方とお聞きしましたので大切に育てていただけると安堵しております。