カルバート浚渫工事
汚泥揚げに奮戦のユンボ
当コースには、3番ホールのグリーンの後方から10番ホールの残り150ヤード地点のコースの右側法面まで、約1800メートルにも及ぶ大きなカルバート(コンクリート製のトンネル)が地中に埋設されています。
無用の長物のように思えますが、当時のゴルフ場開発申請時に、この巨大トンネルのような水路を設置しなければ開発許可が通らなかったようです。
もともとこのコースは、周囲を山と畑に覆われていて、谷底のような山の間に沢が流れていました。
大雨が降ると雨水はこの沢を通り抜けて、下流の田んぼの水路に流れて行くような様相を呈していました。
ところが、ゴルフ場を新設するにあたり、この沢が消滅してしまうので、伊勢湾台風並の集中豪雨が襲来しても、周辺地域に洪水となって氾濫しないように県から設置要請があったようです。
当時のお金で2億円の工事費ですから、相当なシロモノだということがお分かりでしょう。
今日は、その中に溜まった汚泥の浚渫工事をしています。
いつもの夏なら水路は水涸れをしているのですが、今夏は、お盆の3ケ日に大雨が降りましたので、朝からポンプで水を汲んでも一向に水量が減らず工事業者を泣かせています。
当コースには、景観用の池の他に調整池もたくさんあり、50ミリぐらいの雨では、コース外に水が放流されることは滅多にありません。
日常、この大きな水路を流れているのは、周辺地域の雑排水や雨水が主となっています。
大雨の日に周辺畑地からの表層部分の柔らかい土がかなりの量になって汚泥として蓄積されます。
おまけに畜産農家からの糞尿も豪雨時には流されてきますので、汚泥の量は年間で30トン近くは蓄積されてしまいます。
悪臭がすると近隣住民からクレームが時折あります。
ところがゴルフ場の雑排水は、毎日250トンもの水量を浄化する能力のある浄化槽が設置されていますので、殆ど無臭の真水に近い透明度を保って調整池に集水されています。
しかもこの集水された水は、コースの大切な散水源となっていますので、80ミリ以上の雨が降らなければ場外に流失されることはありません。
ということで、このコースからは、近隣地域に迷惑はひとつも掛けていないと言うのが現況です。
しかし、コンクリート製の大きな水路ですから、樹木や草の生い茂った沢とは違って、一度に大量の水が流れてしまうこともあり、悪臭のする汚泥を浄化する暇もなくカルバートの出口の大きな沈殿槽に溜まってしまいます。厄介なことにこの汚泥は、産業廃棄物なので浚渫費よりも処理費の方が数倍も費用が掛ります。
年間90万円もこの浚渫費に掛かるのも頭の痛いところですが、地域住民と共存共栄するには、大切な保険料とも言えます。(苦笑)
カルバート出口の山間の田んぼには、黄金色の稲穂が見事に頭を垂れて実りの秋を実感させてくれます。
この八ツ田で取れる米は、山水が湧き出す田んぼで育っていますから、一味違う米の美味さがあります。
そんな田んぼのためにも汚泥は外に流す訳にも行きません。
大栄カントリー倶楽部、頑張ります!
こんなにも汚泥が蓄積されている
こんな大きなトンネルが1800メートルも
コースの下に埋設されてるとは、驚き!
この黄金の米は八ツ田なので、たいへんに美味い米が収穫できる投票ボタン押してね!
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コースの下に巨大な水路が?
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