ド派手なマーシャルカー、当コースのではありません。
マーシャル（Marshal）
ギャラリーを整理したり、委員会から任命されて競技進行の遅い組に進行を促す人。
また、ゴルフ場で進行の遅い組に進行を促す人のこともいう。
プレーの遅い組に進行を早めるように促す係をマーシャルと言います。
ところが、このマーシャルは非常にメンタルな気を使わなければならず、一歩間違って「お客さん、前の組と間が開いているのでお急ぎください」なんてその場の空気を読まず言ってしまうと、とんだとばっちりをいただくことになります。
「おまえら何でそんなにクドイことを何回も言うんじゃ！ 電車じゃないんだぞ。７０過ぎた俺がそんなに早く回れるか、レストランで早く飯を食って、さっさと出て行けということと同じじゃないか？それがお客様にする態度か、バカモン。お前じゃ話にならんからとっとと支配人呼んで来い！」とティーグランドに座り込んでしまったお客様が他のゴルフ場でありました。
この人は暴力団ではありません。地元の大手企業の会長さんでした。しかし、頑固一徹、納得のいかないことには断じて情状酌量がありません。
支配人が血相を変えてティーグランドに来ると、いきなり爆弾発言が烈火の如く大爆発しました。
「コラ！支配人、お前は従業員にどういう教育をしとるんじゃ、さっきから３回も４回も早くしろ、早くしろと煩い奴が来てプレーを急かせやがって、こっちだって気を使って急いではいるんだ。そんなことも分からず、ただ早く行けとはどう言うことだ。そんなに急がせるんだったらティーグランドに時刻表を書いておけ、第一ゴルフの巧い奴ばかりいる訳じゃないんだ。ボールの行方はボールに聞いてくれっているお客だって一杯いるだろう。
なんで、もっと楽しくお客にプレーをさせないんだ。この歳になってそうは早くは走れない。だから健康のために俺はゴルフに来ているんだ。人の気持ちも読めないでただ急がせるお前のゴルフ場の考えを言ってみろ！」
まさに核弾頭発言に狼狽した支配人は、ああだ・こうだと言い訳をしてその場を言い繕うとしたが一向に収まる気配がなかった。
ティーグランドには、後続組が４組も詰まって大騒ぎとなっていました。
後続組のお客様もどこかのやくざの親分が怒っていると思ったのか、口を挟む人も出なかったようです。
遅れること４０分、その後、この高齢の老人は「気分が悪いから帰る」と言って、文句をいうだけ言ってカートに乗りクラブハウスに帰ってしまいました。
まずいと思った支配人は、「本日は、誠にご迷惑をお掛け致しました。今日のプレー代はサービス致しますので、何とかご容赦をお願いします」と懇願するように詫びを入れました。
ところがその老人は、「バカモン！俺は乞食じゃないんだ。金をまけて貰うために文句を言っているんじゃない。サービス業としてのお宅の態度が気に入らないから文句を言わせてもらっている。お前も支配人として大したことはないな。社長は誰だ？」
「はぁ～、社長ですか？社長は、今日はいません」と、社長になんて言われるかと心配が脳裏を駆け巡り、顔面が蒼白になった支配人でした。
「社長が今日居ないなら、後でこの名刺に電話をするように伝え置け！」
「勘弁してくださいよ・・？社長は関係ないじゃないですか？」
「馬鹿者、現場のトップがこのざまじゃ、このゴルフ場も終わりだ。俺が商売のやり方を社長に教えてやる」
結局、あまりの過激さに怯んだ支配人は、社長に面目なさそうにその件を伝えました。
なんとこの核弾頭のような老人と、このゴルフ場の社長は、ある企業の社長を介して面識があったようです。
その後の電話のやり取りで、二人に面識があるということが幸いし、双方の心が和み、
結局のところ「俺も言い過ぎたが、あんな風じゃ商売がうまくいかないよ」ということで一件落着したようです。
仕事ができる社員は人の気持ちが読めます。空気の読めないＫＹさんでは、どこの職場でもいい仕事ができません。
たかがマーシャルと侮ってはいけません。マーシャルこそ空気の読める人材が必要となります。
※続きは、また明日ね！
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