明日の文化の日、11月3日は開場記念日です。
この黒松は、8番ショートホールにある枝ぶりの良い松です。
数年前まで青大将のつがいが仲良く太い幹の中断あたりに巣を作って棲息していました。
蛇の嫌いな人は嫌がるかも知れませんが体長はオスで2メートル以上はあったと思います。
蛇の好きなお客様がストールのように首に巻いていたのは圧巻でした。
今度はその写真を頂こうかと思います。
長い蛇の抜け殻もありましたので、ここで何匹かの蛇が生まれていたものと思われます。
お天気の良い日にこの大きな青大将が悠々とフェアウェイを闊歩していると蛇嫌いのお客様は鳥肌が立つほど怖がっていました。
これから何十年、数百年経ってもこの黒松は枯れない限り、はるかに人間よりも生息していくと思います。
この大栄の大地に根を下ろして風雨に耐えながら池の水面に鏡のように姿を映してゴルファーの目を楽しませてくれると思います。
動かず、口も利かず、紅葉もせず、ただ無言のままで息づく黒松の姿は善の境地のようにも思えます。
俱楽部の歴史の中にはかなりの激動の時代がありました。
今27年を振り返れば、バブル期の栄華や「驕る平家は久しからずや」の言葉通り世の中の栄華衰退の長編小説が1冊書けるほどのエピソードがあります。
たくさんのエピソードを後世に残すのも自分の仕事のような気がします。
落ちて行く人、登りつめて行く人の人間模様は美空ひばりの「川の流れのように」以上です。
これは6番ホールのグリーンです。(松のない風景を載せたかっただけです)
平成元年11月3日の開場記念日は、空に雲一つない素晴らしい秋晴れのお天気でした。
開場記念日開始の祝砲の花火と、天空に舞うカラフルな300個の風船の優雅な姿、そして200羽の白い鳩が一斉に飛び出すパノラマの世界は、、よもや倒産の悲劇を味わうことなど想像もしえなかった時代でした。
当時の社員数はキャディを含めて150名、現在は半数の75名、社員も半分になり、売り上げも半分以下に減ったが何とか再建が出来て、今年からはこの大栄カントリー倶楽部も再建後の歴史の方がページ数が増えていきます。
黙々と沈黙を保つ黒松の年輪に人の世の脆弱な嘆きを感じます。